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動画販売【荒野塾・雑談篇Vol.07】ヴィヴェイロス・デ・カストロにおける『文化絶対主義』と人類学的映画人・映画・ドキュメンタリー特集〜多様な視座に開かれよ!(体験デザイン研究所・宮台真司・阪田晃一)

動画販売【荒野塾・雑談篇Vol.07】ヴィヴェイロス・デ・カストロにおける『文化絶対主義』と人類学的映画人・映画・ドキュメンタリー特集〜多様な視座に開かれよ!(体験デザイン研究所・宮台真司・阪田晃一)

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冒頭20分はYouTubeで無料公開しています。

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公開期間はライブ配信(収録日)から1年間です。

【トーク概要】

文化絶対主義と人類学的映画人・映画・ドキュメンタリー特集!

【取り上げた映画】その1

バッドマンに描かれる「ジョーカー像」とクリストファー・ノーランが描くジョーカー。『ジョーカー』に描かれるジョーカーはなぜ甘いのか?

『ジョーカー2』はその甘さを克服したのか?クリストファー・ノーランはリチャード・ローティ『アメリカ未完のプロジェクト(1998)』における考察を鋭く読み解き、その成果は『ダークナイト(2008)』に結実している。正義とは何か?悪とは何か?『ダークナイト』でジョーカーが示す問いは「倫理的」だ。誰よりも倫理的な問いを発するジョーカーに、「弱いものいじめはやめろ!」も「金持ちを殺せ!」も吹き上がる前に打ち砕かれる。ノーラン監督の絶妙な演出だ。

そして圧巻は、名優マイケル・ケイン演じるブルース・ウエインことバッドマンの執事アルフレッド。ローティの言う「アイロニカル」を的確に描いている。やってる感リベラルのことは放っておいて、ダークナイトを見れば、バッドマンもジョーカーも見ているのは共に同じ世界。それはしかも「終わりの風景」。その描写は浦沢直樹『MONSTER』とまったく一緒だ。人々が当たり前だと思っているものはもう終わっている。だからジョーカーは「船の問い」を示す。沈みゆく船でどう振る舞うのかを、余裕を持って眺めている。

『ダークナイト』が示すのは、危機は民意によっては回避できず、必ずや「倫理的な存在の独断という英断」によって為されるのだという普遍を諦めない、意志貫徹の構えだ。そしてこの「視座」の交換可能性は、文化絶対主義を唱えた人類学者エドュアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロに接続する。

『ダークナイト』クリストファー・ノーラン監督、2008年
『ジョーカー』トッド・フィリップス監督、2019年
『ジョーカー フォリ・ア・ドュ』トッド・フィリップス監督、2024年
『MONSTER』浦沢直樹、1994年〜2001年

【取り上げた映画】その2
エドュアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロが示すネイティブ・アメリカンに象徴される多視座主義の絶対性

エドュアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロは、ブラジル政府の行政マンとして、先住民族を近代に登録する仕事をしていた。しかしそれは間違っていると翻意し、人類学者へと転じた変わり者だ。その指摘は鋭い。「自然は一つ。文化はそれぞれ」はあり得ないと言う。持続可能な唯一のあり方は、ネイティブ・アメリカンなどが示す「自然は多様。文化は一つ」という文化絶対主義なのだ。

キャンプディレクター阪田晃一は、先日森である果実を獲った。ゲーテの「植物は太陽に誘い出されて」というアフォーダンスの観点からその時の体験を語れば、果実に誘われて木に登り、大きく平らな岩に誘われて座り、果実を食べようとした。ふと腰掛けようとした岩を見ると、そこにすでに果実の種が落ちていた。どうやらそれは鳥のフンであった。ふと記憶が蘇ってきた。木の上で果実を獲っている時、一つすでに鳥に食べられて空っぽの果実を目にした。その時まさに僕は「鳥になった」。

ヴィヴェイロス・デ・カストロはこれを「鳥が受け入れた」と記述する。『食人の形而上学』が示す多視座主義とは「鳥さんの気持ちになって考える」と言った幼稚な洞察ではない。鳥が人(僕)を受け入れた時、僕は鳥になるのだ。同じように僕が鳥を受け入れた時、鳥は人(僕)になるのだ。つまり合体。著書にはこうある。ネイティブ・アメリカンは私たちとまったく同じ理性、感情、意志を有している。しかしその世界の体験の仕方は、私たちと大きく異なる。

田中泯の「場踊り」を記録したドキュメンタリー『名付けようのない踊り』では、まさに「名指せない(名指さない)踊り」が示される。だから田中泯は木々や草花や、虫や、動物の時間でこの世界を体験する。つまりとてもゆっくりなのだ。このなりきりの極意は、代々木忠によって示された、性愛において必要だとされる「中動態の構え」と酷似する。バタイユであればよせてはかえす波の「融解」、吉本隆明の「対なる幻想状態」、そしてハーバード・ミードが示す「ロールテイキング(なりきり)」だ。ゲーテが言う「慎ましさ」があるものにだけ「公然の秘密」が開示される。

エドュアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロが示す「多視座主義」、「多自然主義」の観点から、いくつかの映画、映画人、ドキュメンタリーについて二時間にわたって議論した雑談篇。ぜひ映画と併せて、全編をご覧いただきたい。

『シン・レッド・ライン』テレンス・マリック監督、1998年
『ダンス・ウイズ・ウルブズ』ケビン・コスナー監督・主演・制作、1990年 『ミッドサマー』アリ・アスター監督、2019年
『彷徨える河』シーロ・ゲーラ監督、2015年

『グリーン・フロンティア』シーロ・ゲーラ監督・制作総指揮、2019年
『サーミの血』アマンダ・シェーネル、2016年
『バクラウ 地図から消された村』クレベール・メンドンサ・フィリオ、ジュリアーノ・ドルネレス脚本・監督、2019年
『悲哀の密林』ユレネ・オライゾラ年、2020年
『トナカイは殺されて』エレ・マリア・エイラ監督、2024年

【ドキュメンタリー】
『名付けようのない踊り・田中泯』犬童一心監督、2022年
『ロスト・チルドレン アマゾン密林を生きのびて』オーランド・ヴォン2024年

【監督】
クリストファー・ノーラン
シーロ・ゲーラ
テレンス・マリック
浦沢直樹

【学者】
エドュアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ
マリノフスキー
レヴィ=ストロース
フロイト
ドュルーズ、ガタリ
ウィラースレフ
エドワルド・コーン
奥野克己

公開より1年間視聴可能です。 ぜひご購入をお願いします!
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